介護施設で高齢者が転倒してケガした場合、介護施設の責任は?

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介護施設で高齢者が転倒してケガした場合、介護施設の責任は?

今回は、介護施設で高齢者が
施設内で転倒して怪我をした場合に、
介護施設に責任はあるのかということについて説明します。

 

介護施設には、利用者に
介護サービスを提供するだけでなく、
利用者の生命、身体の安全を確保するべく配慮をする
安全配慮義務を負います。

 

ですから介護施設の提供するサービスに、
安全配慮義務違反が認められる場合には、
介護施設は責任を負い、
ケガによる損害を賠償する責任を負うということになります。

 

安全配慮義務に違反していたかどうかの判断

安全配慮義務に違反していたかどうかは、
事故の内容や、そのときの具体的な状況によって
判断されることになりますが、
転倒によるケガの場合、
利用者が怪我をする危険はどれだけあったかという客観的な危険性
施設やスタッフはそれを予見できるものであったかという予見可能性
そのケガはスタッフが適切な行動をしていれば回避できるものであったかという結果回避可能性から、
その事故について、介護施設、スタッフの責任の有無または、
責任の重さが判断されることになると考えられます。

 

安全配慮義務に違反していたとされた具体的な裁判例

具体的な裁判例としては、
杖を使わなければ歩行できない利用者に
トイレまではスタッフが同行したものの、
利用者はスタッフのトイレ内への同行を拒否し、
入口から便器まで1.8メートル、横幅1.6メートルで
入口から便器までの壁には手すりがないトイレで、
一人でトイレ内に入って転倒をしてケガをしたという事例について、
次のように判断しています。

 

横浜地方裁判所の平成17年3月22日判決では、
転倒する危険があることは十分予想し得るところであり、
また、利用者の年齢、健康状態からも、その転倒により
大きな結果が生じることも予想しうるとして、
介護施設のスタッフは、
利用者が介護を受けない場合の
危険性とその危険を回避するための
介護の必要性を意を尽くして説明し、介護を受けるよう説得すべきであり、
それでもなお要介護者が
真摯な介護拒絶の態度を示したというような場合でなければ、
介護義務を免れることにはならないというべきであるとして、
介護施設の安全配慮義務違反を認めました。
ただ、利用者も自ら同行を拒否している点で3割の過失とし、
過失相殺を認めました。

 

ですから、介護施設内での利用者がケガをした場合は、
その状況によって判断されるということで、
利用者が希望した場合でも、スタッフは行為による危険が予想される場合、
しっかりと説得を行い、
事故を未然に防ぐ意識を常に持つことが必要となり、
それに違反した場合は責任を負うと考えられるでしょう。

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